個人情報流出への対策7選|防災士が解説する備えと流出後の対応

うさ夫のネットセキュリティ

皆様こんにちは、防災士うさ夫です。

最近、大手企業の会員情報やクラウドサービスなどから個人情報が流出したとの発表が相次いでいます。NHKによると、旅行サイト「スカイチケット」を運営するアドベンチャーは、外部からの不正アクセスにより、利用客の情報1400万件あまりが流出したか、流出したおそれがあると発表しました(2026年10月9日報道)。

「自分の情報も流出しているかもしれない」と不安になっている方は多いと思います。この記事では、個人でできる個人情報流出対策を、「流出する前の備え」と「流出の連絡が来たあとの初動」に分けて解説します。

防災の基本は、被害の大きさは「事前の備え」と「最初の動き」で決まるという考え方です。地震や台風でも、個人情報の流出でも、それは変わりません。この記事では、防災の発想を借りて、デジタル版の「備え」と「初動」を整理します。

結論:企業の流出は防げない。だから「漏れても被害が広がらない状態」を作る

地震や台風そのものを止められないのと同じで、企業のサーバーから情報が漏れるのを、個人の力で防ぐことはできません。できるのは、漏れてしまっても被害が広がらないようにしておくことです。特に効果が大きいのは次の3つです。

  1. パスワードを使い回さない
  2. 二段階認証(できればパスキー)を設定する
  3. メール・SMSのリンクは踏まない

なぜ個人情報の流出が相次いでいるのか

NHKは、不正アクセスによって企業から大量の個人情報が漏えいする被害が相次いでいると伝えています。セキュリティ会社は、今年7月以降に被害が増えていることから、サイバー攻撃にAIが悪用されている可能性が高いとみているそうです。

原因の詳細は事案ごとに異なり、調査中のものも多くあります。ただ、私たち利用者にとって大事なのは、流出した情報がフィッシングメールや不正ログイン、詐欺電話などに悪用されるおそれがあるという点です。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」の個人向け脅威にも、「インターネット上のサービスからの個人情報の窃取」「インターネット上のサービスへの不正ログイン」「フィッシングによる個人情報等の詐取」などが挙げられています。

※流出事案の内容は日々更新されます。最新の状況は、必ず各社の公式発表でご確認ください。

個人情報が流出すると何が起きる?情報別のリスクと対策

流出した情報の種類によって、起こりうる被害と優先すべき対策が変わります。自分が利用しているサービスから連絡が来たら、まずこの表で確認してください。

流出した情報起こりうる被害優先する対策
メールアドレス・氏名本物そっくりのフィッシングメール、迷惑メールの増加メール内のリンクを踏まず、公式アプリやブックマークから確認する
電話番号・住所詐欺電話、SMS詐欺、不審な郵送物知らない番号からの連絡で個人情報を伝えない
ID・パスワード(暗号化・ハッシュ化を含む)同じパスワードを使う他サービスへの不正ログインすぐに変更し、使い回しをやめて二段階認証を設定する
クレジットカード番号カードの不正利用カード会社に連絡し、利用明細を確認する
パスポートなどの本人確認情報なりすまし発表元の案内に従い、必要に応じて相談窓口へ連絡する

【事前対策】個人でできる個人情報流出対策7選

防災でいう「非常用持ち出し袋」にあたる部分です。災害が起きてから準備しても間に合わないように、流出も、起きる前に用意しておいたものだけが役に立ちます。

1. パスワードの使い回しをやめる

最も効果が大きい対策です。パスワードを使い回していると、1つのサービスで流出しただけで、他のサービスにも不正ログインされるおそれがあります。国民生活センターも、ID・パスワードの使い回しをしないよう呼びかけています。

警察の啓発資料では、内閣サイバーセキュリティセンターの推奨として、次のような点が紹介されています。

  • 同じパスワードを使い回さない
  • 英大文字・小文字、数字、記号を組み合わせた10桁以上にする
  • 誕生日や名前など、推測されやすい内容は避ける

すべてを覚えるのは大変なので、スマホやブラウザに標準で付いているパスワード管理機能を使うのがおすすめです。全部を一度に変えるのは大変なので、メール、銀行・証券、ショッピング、SNSの順に優先して見直しましょう。

2. 二段階認証・パスキーを設定する

二段階認証を設定しておけば、IDとパスワードが盗まれても、2つ目の認証がなければログインできません。設定方法はサービスごとに違うので、各サービスのヘルプを確認してください。

対応しているサービスでは、パスワードそのものを使わないパスキーも選べます。まずは、乗っ取られると被害が大きいメールアドレス、銀行・証券、ショッピングサイト、SNSから設定しましょう。

3. メール・SMSのリンクは踏まない

流出した連絡先は、フィッシングに使われがちです。国民生活センターは、日頃利用している事業者からのメールでも、まずフィッシングを疑うよう注意を促しています。

  • メールやSMSに書かれたURLにはアクセスしない
  • 事前にブックマークした正規サイトや正規アプリから利用する
  • 不審なサイトにID・パスワード、カード番号を入力しない
  • サイト上で案内されるアプリをダウンロードしない

4. クレジットカードと銀行口座を守る

カード情報が流出した場合に備えて、日頃から次の2点を習慣にしておきましょう。

  • 利用明細をこまめに確認する
  • 利用限度額を必要最低限の金額に設定する

5. メールアドレスを使い分ける

銀行や仕事用の重要なメールアドレスと、買い物やキャンペーン登録用のアドレスを分けておくと、万一流出したときの影響範囲を小さくできます。迷惑メールの切り分けもしやすくなります。

6. 使っていないアカウントの整理と連携アプリの点検

使っていないサービスに登録した情報も、会員データとして企業に残り続けます。もう使わないアカウントは退会しておくのが安全です。

また、Xなどのアカウントに連携している怪しいアプリがないかも、あわせて確認してください。連携アプリは、許可した内容によってはフォローや投稿の削除までできてしまいます。

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7. 端末の更新とセキュリティソフトを活用する

スマホやパソコンのOS、アプリは常に最新の状態にしておきましょう。国民生活センターは、セキュリティソフトや携帯電話会社の対策サービスの活用も勧めています。

防災グッズの使用期限を点検するように、年に1回は、アカウントやパスワード、連携アプリの棚卸しをする習慣をつけておくと安心です。

【流出後の対応】「流出のお知らせ」が届いたらやること6ステップ

利用中のサービスから、流出のおそれがあるという連絡が届いたら、慌てずに次の順で対応してください。防災でも、まず正しい情報を確認してから行動する、というのが基本です。流出対応も同じ流れで考えると、落ち着いて動けます。

ステップ1:公式サイトで発表を確認する

メールのリンクからではなく、ブックマークした公式サイトや公式アプリから、お知らせの内容を確認します。流出のお知らせを装った偽メールにも注意が必要です。災害時のデマと同じで、不確かな情報や出どころの分からない連絡に流されないことが大切です。

ステップ2:何が流出したかを確認する

氏名やメールアドレスだけなのか、パスワードやカード情報まで含まれるのかで、取るべき対応が変わります。先ほどの表を参考にしてください。

ステップ3:パスワードを変更する

該当サービスのパスワードを変更します。同じID・パスワードを使い回しているサービスも含めて、すぐに変更してください。暗号化やハッシュ化されていたと発表されていても、念のため変更するのが安心です。

ステップ4:カード会社・金融機関に連絡し、明細を確認する

カード情報が含まれる場合は、クレジットカード会社や金融機関に連絡し、利用明細に身に覚えのない請求がないか確認します。

ステップ5:しばらくは不審な連絡に警戒する

流出した情報をもとにした、フィッシングメールや詐欺電話が届く可能性があります。届いた連絡は、まず疑ってかかるくらいの気持ちでいましょう。

ステップ6:困ったら相談窓口へ

  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」:最寄りの消費生活センター等を案内してくれる、全国共通の3桁の電話番号です
  • 警察相談専用電話「#9110」:不審な連絡や被害の相談ができます(緊急時は110番)

やってはいけないこと

  • メールやSMSのリンクから「ログイン」「確認」をする
  • 電話やメールで「流出の対応をする」と言われて、個人情報や金銭を渡す
  • パスワードを少し変えただけで、別のサービスでも使い回す

家族で決めておこう:流出対策の「家族防災会議」

防災では、災害が起きる前に家族で集合場所や連絡方法を決めておきます。個人情報の流出も同じで、特に高齢のご家族がいる場合は、事前に家族で話し合っておくと被害を防ぎやすくなります。

  • 知らないメールやSMSのリンクは、押す前に家族に見せて相談するルールにする
  • 「流出した」「不正利用がある」と言ってくる電話は、一度切って家族や窓口に相談する
  • 相談先(カード会社の連絡先、消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110)を、見やすい場所にメモしておく
  • 重要なアカウントの一覧(サービス名とID)を作っておく。パスワード自体は書かない

まとめ:個人情報流出対策は「使い回さない・二段階認証・リンクを踏まない」

企業から情報が流出するのを、個人で止めることはできません。だからこそ、パスワードを使い回さない、二段階認証(パスキー)を設定する、メール・SMSのリンクを踏まないという3つを、今日から始めてください。

そして、流出の連絡が届いたら、公式サイトで確認し、パスワードを変更し、カードの明細を見る。この順番で落ち着いて対応すれば、被害は最小限に抑えられます。防災と同じく、備えあれば憂いなしです。

参考にした情報

最後に

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