格安ポータブル電源(バッテリー)製品のワナを防災士目線で解説

キャンプ

ポータブル電源の購入を検討していると、一度は目に入るのが「聞いたことのない海外ブランド」や「自作のポータブル電源」です。

有名メーカーの製品と比べて、驚くほど安く買えるものも少なくありません。

しかし、ポータブル電源のようなバッテリー製品を価格だけで選ぶと、あとで後悔することになるかもしれません。

今回は、キャンプや防災の備えとして身近にあると心強いポータブル電源について、「何を基準に選べばよいのか」を防災士の目線でお伝えします。

格安ポータブル電源に潜む3つのリスク

① 表記スペックと実際の性能が違う

格安製品でよくあるのが、容量や出力の「スペック盛り」です。

パッケージに書かれた容量と、実際に使える容量が大きく違うケースがあります。単三形の充電池でも容量を偽っている製品があり、YouTubeなどで実測した検証動画も公開されています。

「停電のときにスマホを何回充電できるか」「電気毛布を何時間使えるか」——防災用として計算していた数字が当てにならなければ、いざというときに困ってしまいます。

② 安全を守る「BMS」の信頼性が低い

ポータブル電源には、内部のバッテリーを安全に制御するBMS(バッテリー・マネジメント・システム)が搭載されています。

バッテリー製品には、過充電・過放電・過熱などによる発煙や発火のリスクがあります。BMSはこうした異常を監視し、危険な状態になる前に充放電を止める、いわば「安全装置」です。

信頼できるメーカーはこの制御をしっかり作り込んでいますが、品質の怪しい製品ではBMSの制御が甘いことがあります。また、自作でバッテリーを組む場合にBMSを省いたり、適切に設定しなかったりすると、重大な事故につながりかねません。

ひとたび火災が起きれば、失うものは計り知れません。

③ 保証が受けられない・捨てられない

無名ブランドや激安製品は、保証期間が短かったり、販売元に連絡がつかなくなったりして、故障しても保証を受けられないことがあります。

そして、いちばん見落とされがちなのが「廃棄」の問題です。

ポータブル電源は、多くの自治体で通常のごみとして出すことができません。家電量販店などにある充電池の回収ボックス(JBRC)も、基本的にはポータブル電源のような大型バッテリーは対象外です。

そのため、処分はメーカーの回収サービスに頼るのが基本になります。ところが、回収窓口を持たないメーカーや、すでに日本から撤退してしまった販売元の製品だと、「捨てたくても捨てられないゴミ」として家に残り続けることになるのです。

防災士が考える、ポータブル電源の選び方

では、どんな基準で選べばよいのでしょうか。防災士の目線で、特に大切だと考えるポイントを紹介します。

ポイント1:安全であること

何よりも大事なのは、安全に使えることです。

バッテリーの世界では急速充電や小型・大容量化が進んでいますが、どれだけ高性能でも安全でなければ意味がありません。

信頼性の低いメーカーのバッテリー製品では、容量不足や故障の多発、さらには火災の報告もあります。もちろん有名メーカーの製品でも、ごくまれに事故が起きることはあります。ただ、そうしたメーカーはリコールや交換などの対応を迅速に行っており、「何かあったときにきちんと対応してくれるか」も安全性の一部だと私は考えています。

ポイント2:保証とサポートがしっかりしていること

防災用のポータブル電源は、何年も手元に置いておくものです。保証期間の長さに加えて、日本国内にサポート窓口があり、問い合わせにきちんと対応してくれるかを確認しておきましょう。

ポイント3:最後まで責任を持って処分できること

信じられないかもしれませんが、ポータブル電源はどこでも捨てられるわけではありません。

購入前に、そのメーカーが使用済み製品の回収サービスを行っているかを必ずチェックしてください。回収の手段がない製品は、寿命を迎えたあと「リスクを抱えた置物」になってしまいます。

最後に

有名ブランドのポータブル電源は、決して安い買い物ではありません。

でも、価格だけを見て格安製品に飛びつくのは、少し待ってください。安さにつられて買ったあとに待っているのは、思ったように使えない失望や、火災による取り返しのつかない被害かもしれません。

ポータブル電源は、いざというときに家族の暮らしを支える大切な備えです。「安全」「サポート」「処分」まで含めて、長く安心して付き合える一台を選んでください。

防災士うさ夫は、皆さんが安全で信頼できる製品とともに、日々の防災準備を進めていただけることを願っています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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